民泊サイト大手 創立10周年
Airbnb創設10周年で
宿と宿泊客の双方を盛り立てる策を強化
4つの新サービスを披露
民泊のエアー・ビー・アンド・ビー(Airbnb)が創設10周年を迎えて、サービスを大幅に向上させるロードマップを発表した。
サンフランシスコで2月22日に開催された記念イベントでのことだ。
テーマは、「みんなのためのAirbnb」。誰にでも泊まりたい場所が見つかることを謳った充実だが、ホテルなどのホスピタリティー業界にはない、どこまでもカスタマイゼーションに近い行き届いたサービスを目指している。
サービス向上は、4つの面で行われる。
家を提供するホストと宿泊するゲストへの特典強化、より細やかに好みの場所を見つけやすくするサイトの仕組みと、宿泊場所のクオリティーを保証する「Airbnb Plus」、高級路線を行く「Beyond by Airbnb」の登場だ。
中でも、同社のホストへの気の遣い方は注目に値する。
同社のブライアン・チェスキーCEOは、イベントの壇上で何度も「host-led world」(ホストがいてこその世界)を強調した。
ホストは、自宅の余った部屋などを民泊のために貸し出す人々だが、その熱意には温度差があるだろう。
最低限に部屋を整えるホストもいれば、味のあるインテリア・デザインにまとめて、さらに周辺地図を用意したり朝食を提供したりするホストもいる。
Airbnbでは、ゲストによるレーティグも高い後者のようなホストを「スーパーホスト」として尊重してきたが、さらに彼らに多くの投資をするとした。投資とは、彼らに付与する特典のことだ。
現在40万人いるスーパーホストは、年間10回の宿泊を受け入れている、ゲストからの評価が平均4.8星を獲得しているなどの条件をクリアーした人々だ。
彼らには、すでに見つけやすいサーチフィルター、マーケティング支援などの特典が与えられているが、さらに独自のURL、ボーナス付与、サーチ最適化などを加えて、全部で19項目の特典が提供されることになる。
宿を提供するホストのトップ級を厳選、優遇
さらに、今回新たに設けられた、その上をいくレベルが「Airbnb Plus」である。Airbnb Plusにリストアップされるには、スーパーホストの標準をクリアする上に、特別の認証を受ける必要がある。
認証のためにはAirbnbの社員が実際に出向き、清潔さ、快適さ、アメニティーの充実度、ホストのパーソナリティーを反映したインテリアなど100項目をチェック。そこで満点を獲得したホストだけが選ばれる。
Airbnb Plusに認証されると、Airbnb持ちでプロのカメラマンによる撮影を行い、同社にインテリア・デザインの相談をすることが可能になる。
ホストにとっては、スーパーホストを目指し、さらにAirbnb Plusの高みに到達することによって、利点が大きくなるという仕組みだ。
Airbnb Plusはすでに13都市でスタートし、今年中に世界各都市に拡大していくという。現在、そこに挙げられた家を見ると、シカゴのロフトで屋上庭園のついたアパート、丘の上に駐車された改造エアストリーム・キャンピングカーで、周りにパティオを設けた場所など、数々のユニークな家がある。
プロの写真家が撮影しただけあって、まるでインテリア雑誌のように味のある写真が部屋ごとに整理されて並んでいる。
Airbnb Plusに認定されているので、単なる見かけだけではなく、クオリティとしても信頼できるということだ。
宿泊客にも“プロ”がいる
ゲスト側にも、そうした特典が設けられる。「スーパーゲスト・プログラム」の設立である。
これまではゲスト側への特典はなかったのだが、同プログラムによって「Airbnbが、使えば使うほどによくなる」(チェスキーCEO)ことを目指すという。
このアイデアは、リタイアして持ち家を売り、過去4年半ずっとAirbnbで宿泊をして暮らしてきた初老の夫婦を同社インターンとして迎えたことで得たものという。
Airbnbではプロ級のホストが育っているだろうが、ゲスト側にもプロがいると言えばいいだろうか。
具体的にスーパーゲスト・プログラムでは、空港での送迎、宿泊料金のディスカウント、特別な宿泊場所へのアクセスなどが計画されている。
今春から1万人のゲストを対象にテスト実施され、その後今夏から本格的にローンチする。
現在、Airbnbには450万件を超える宿泊場所のリスティングがあるが、今後ユーザー全員にとって便利になるのは、選ぶ宿泊場所のカテゴリー分けが明確になり、種類が増えることだ。
例えば、宿泊場所の種類では、これまでシェアルーム、個室、一軒家の3種類しか選べなかったが、今後カテゴリーが増え、バケーションホーム(貸別荘)、ユニークな施設(ツリーハウス、ボートなど)、B&B(ベッド&ブレックファースト)、デザイナーズホテルが加わる。
また、目的別にも検索が可能になる。こちらは「コレクション」と名付けられ、手始めにファミリー(家族連れ用)、ワークス(出張用)から始め、その後、ソーシャルステイ(ホストや他のゲストとの交流がある)、ウェディング、ハネムーン、ディナー・パーティー、グループゲートウェイ(大人数)が加わる。
宿泊の目的に合わせて宿泊場所があらかじめ分類されるので、探しやすくなるということだ。
さらに、ラグジュアリー物件も選べるようになる。ここには、イタリア・トスカニー地方のヴィラや英国の城のような場所がある。
これはAirbnbが昨年買収したラグジャリー・リトリートの物件を含んだもので、人生で1度は行ってみたい場所が集められている。
不正を働くホストは追放する
チェスキーCEOと共同創業者のジョー・ゲビア(現CPO=チーフ・プロダクト・オフィサー)が、アパートにエアーベッドを置いて旅行者を泊めたのがきっかけとなって、2008年に創設されたAirbnbは、10年後の現在、世界8万1000都市に広がり、これまで総額410億ドル(約4兆1847億円)の収益をホストにもたらした。
ホテル産業を脅かす存在にも拡大しているAirbnbだが、最近はホストの家で隠しカメラが見つかるという事件が何軒か報告され、個人と個人が取引をするシェアリングエコノミーの危うさも露呈した。
Airbnbは、寝室やバスルームにはカメラを設置しないこと、また他の部屋に設置する場合もそれを告知することを課し、そうした行いをしたホストは永遠に同サイトから追放するという。
今後も未知の問題にぶつかることもあるのだろうが、今回の発表ではあくまでも前向きに自社ビジネスとホスピタリティーの未来像を描き出したものとなった。
ダイヤモンドオンラインより
民泊は既存の宿泊業態には無い、世界観を今後はますます進めていくことが大切に思いました。
Imura / 大府市 "泊まれる" 居酒屋🏮
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